本の紹介06 魔都ノート 異形の演劇論 中島梓
こんにちは。
本気で本です。
「あんたのハード? な日常生活は、わかったとして、そんな現実から逃れるために、あんたは、美少年だの怪人だの、そんな本ばっかり読んでるんかい、それもそれで大変なことですね」
なんて言われてしまいそうですが、本日紹介するのは、中島梓の「魔都ノート 異形の演劇論」です。
はい。またまた中島梓(栗本薫)です。
彼女の本を紹介していたら、それがきっかけにこのブログに読者登録してくださった方、コメントでご自分の栗本薫体験を語ってくださる方もいたりして、けっこう楽しかったので、幸い彼女の著作の記憶は、いまだ僕の頭の中で健在なので、もう少しこのまま栗本薫紹介ブログでいこうかな、などと思っております。
にしましても、この「魔都ノート 異形の演劇論」は、彼女の著作の中でも、なかなかの変わり種です。
そもそも栗本薫著「魔都 恐怖仮面之章」という小説がありまして、これはいまでもブックオフでハードカバー版が手に入る(もちろん10X円コーナーです)くらい、たくさん売れた本でした。
で、その小説を栗本薫(=中島梓)自らが舞台化したお芝居がありまして、今回紹介する「魔都ノート 異形の演劇論」は、その演劇公演を応援するために作者自らが書き下ろした演劇エッセイなのです。
ほらほら、テニミュ(テニスの王子様)とか、黒執事とか、弱虫ペダルとか、ミュージカル、演劇化して好評をはくしている作品ってありますよね。
栗本薫もそういうノリで自身の作品をあれこれ、舞台化した作家さんです。
僕は、田舎に住んでいる人間なので、「魔都 恐怖仮面之章」を東京博品館劇場まで、観に行ったりはできなかったですけど、関東に住んでいたら、行ったでしょうね。
栗本薫という人は、文章を読むとわかるように、とにかく思い込みが激しくて、執着心が強かったりするので、そいう人が自分の作品(小説)を演劇にするのに、全面的に関わると、想像しただけでもいろいろ面倒くさそうな事態になるわけで、この本では、舞台に関わった中島梓が経験したトラブルも書かれています。
自称天才のこういうタイプの人が、人間関係で軋轢を起こさずに集団作業できるわけないじゃないか!! と僕は思います。
エッセイなどで読む限り、栗本薫の人生というのは、けっこう波乱にみちたドラマティックなものだったりするんですが、そこで起きるトラブルのいくつかの原因は、栗本薫自身にあったはずだと僕は思います。
この人は、いるだけでなにもしなくても、嫌う人にはえらく嫌われるタイプです。
ただ、僕は彼女の著作のファンなんで、それでもOKなんですけどね。
栗本薫がこの世を去って、少しでも、さみしいねと思う人、彼女がいた頃の狂騒を体験したい人へ、「魔都ノート 異形の演劇論」オススメします。
この本は文庫版がないのかもしれないし、ブックオフではあまり見ない気がします。
案外、図書館の方が見つかりやすいかも、ですね。
今回、「魔都 恐怖仮面之章」のストーリーを紹介してないですね。それは、またいつかということで、すみません。
栗本薫関連の動画でめずらしいものがあったので、時間に余裕がある方は、どうぞ。