自殺100物語 -Suicide Round of ghost stories at night-
前口上
こんにちは。本気で本です。
久々に創作です。僕は時に創作もします。
そういうのも書くのか? という新しい読者の方、以前からの読者の方、どちらもよろしければ御一読ください。
さくっと? 読めると思います。
自殺がテーマの4400字ほどの掌編です。
自殺100物語 -Suicide Round of ghost stories at night-
自殺100物語 (Suicide Round of ghost stories at night)
- 汚れた血を外へだすために、自分の手首にナイフを突き刺した。
- 僕が自殺したら、僕を嫌っていた上司が僕の葬式で悲しそうな顔をしている夢をみた。やっぱり嘘くさい顔だった。
- 飛び降りて鳥になるつもりだったが、終わりの終わりまで痛いだけだった。
- 溺死のために、バスタブいっぱい焼酎を入れて、酒の海!? に浸ると吐き気がひどくて驚いた。
- ヘッドフォンして、人生最後の曲を選ぶのに2時間かかってる。
- 爆死は一瞬だけど、クセになりそうなくらい気持ちがいい。
- 死んでくれと百回言われたら、死のうと思った。さよなら。
- アクセルを踏み込んで僕が死ぬまでに何人道連れにできるか試してみる。
- バカと言われても死ぬことぐらいはできると自慢したい。
- 自殺が人生一番の楽しさだったら、どうしよう。
- クスリをやるのも、タバコを吸うのもゆるやかな自殺には変わらないから、クスリをしながらタバコを吸えば快楽は倍になるのでは、と考えた。
- 死ぬ前に会いたい人に会えば僕を止めるから会えない。
- 飛び降りたとして、ごめんなさいは言って欲しいが、自分ではあまり言いたくない。
- 正直、死ぬくらいしかすることがない。
- 薬はもう飲んだ。この後、数分で死ぬのに、自分が死んだ後の周囲のことをあれこれ考えるのはバカみたいだと気づいた。
- 自殺しても死神には会えないのだろうか? と数秒、悩んだ。
- 好きな時に死ねないことの重さに精神的に耐え切れなくなったので死にます。
- 死にたいやつが、命の電話に電話したら負けだと思っている。
- 銃のことをなにも知らないオレが、猟銃をくわえていいのだろうか?
- 屁が引火して爆死するのは自分らしいと思ったので、カエルで実験した。
- 来世での再会を誓い合った恋人とくじをして負けたので、まず僕が死にます。
- 将来の夢を聞かれて、オレが空中で爆死して血の雨を降らしてやろうと真剣に思った。
- 爆撃機のパイロットになって市街地に爆弾を落とす夢ばかりみる。最後は墜落してオレも死ぬ。
- 電気で死ぬのはモダンかもしれないな。
- 原子力発電所で自殺しても、舞台にインパクトがありすぎて、みんなオレの死の意味についてはそう深く考えてくれないだろう。
- 自殺者がでた事故物件は近年、人気らしい。それはよかったと思いながらアパートで首を吊る。
- 奇病に犯され、死が確定したら、それだけで自分が偉人のような気がしてきた。奇跡的に治ったりせずにこのまま死にたい。
- 嫌いなやつが交通事故でむごい死に様をさらしているのを見て、なぜか、こいつよりも片付けに手間のかかる死に方をしたくなった。オレは列車に飛び込む。
- 野外プールで溺死すると、オレの霊は、1年の3分2は、汚い水の中に潜んでいなければならないのだろうか? それは×だ。
- ホームレスのオレが寝てても誰も気にしない。猛暑の歩道で倒れて人間焼き肉になって、自分の焼け具合を感じながら死ぬ。
- 急所に一撃希望。殺人鬼になって通り魔殺人にのぞんだところ、かわいい幼女に返り討ちにされて死にたい。
- このまま潜水艦と共に深海に沈んで死んでも海が好き。
- 戦闘機で緊急着陸。全身骨折してコックピットでいまわの際のオレを耳もとでほめる同期のバカ。
- 死んでもいいと一日、何回、思うか正確にカウントした。
- SMが好きだったので、女王様に金を渡してオレを殺してくれと頼んだ。やってくれそうでワクワクしている。
- 電ノコで爪先から1ミリずる切り刻まれてゆく死に様は最悪らしいが、どうせ途中で気が狂うと思ったので、監禁系の猟奇殺人鬼に捕まってみた。
- へべれけになった深夜の帰り道。適度に汚水がたまっているドブの誘惑に耐えられなかった。
- 日本刀で一刀両断されたくて、オレ専用の機械を設計、製作した。
- 君になら殺されてもいい、と本気で書いたのに、ラブレターとカン違いされた。恋人にはなりたくない。
- 自分の体は、自分の意志で動かしたいので、ゾンビになるくらいなら、モンスターに喰われたい。
- 誰よりも高い真空で死ぬためにNASAを目指す。
- 普通に干物(ひもの)になりたい。魂が転生でどうたらと言うのであれば、自殺手段として即身仏は意味ないと思う。
- プロレスラーはリングで死ぬ時も、観客のことを考えてるのだろうか? なら、オレなら、思い切りハデに受け身をとって即死したい。
- エレベーターやエスカレーターで死ぬやつは少ないので、オレもそこでレアな死を望む。
- 工場でコンベアに腕を巻き込まれ、数メーター上昇した後、上腕三頭筋がはがれて落下し、首と頭蓋骨を骨折して、それでも苦しみに訴え、助けを求めながら床を這いつくばって、救急車で病院に輸送される間に死んだやつを見た。やつは職場の作業安全化に身を持って貢献した。おれはやつがうらやましかった。
- 犬と格闘して死ぬやつもいる。犬死にでいいのか?
- 下血して血まみれで死ぬのはロマンがあると思う。
- 新幹線の運転席で仕事中に急死して、ダイヤの遅延、乗客の負傷者はゼロですませられたら、どれだけ伝説を残せるだろう。
- 湖の主に喰われたくて、深夜に全裸で泳いだらワニがでた。
- 自宅の上空をヘリが飛んでいると、ヘリのプロペラが吹き飛んで、我が家の屋根に突き刺さり、先端に串刺しにされて死にたいと思う。
- 自殺へのロマンは、ロミオとジュリエットも、芥川龍之介も、太宰治も、三島由紀夫も、カート・コーバンも持っていた崇高なものであり、バカにされるようなものでない。誰でも死ぬんだ。オレは好きに死にたい。
- 実は、連続悶絶や長時間ファックで、AV女優は何人も死んでる気がする。もしオレがかわいい女ならそれでもよし。
- 疑似なら自殺行為も見世物になる。プロレスのデスマッチで死者が続出した時、日本のデスマッチ文化は終わる。
- なんでも教えて金をとる世の中だ。自殺の仕方を教えている教室は絶対ある。問題は教室を運営しているのがどこの保険屋かという点か?
- 自殺する勇気はないので死刑にしてくれ!! という訴えがある。それで、事件を起こす者もいる。日本に死刑制度がある以上、それを自分の意志で望むのなら、国がしてあげてもいい気がする。犯罪など犯さなくても、申込書を記入して、審査を受けて、死刑でOKじゃね?
- 最後の食事はどうせ消化されないので、思い切り体に悪い物を食べたい。
- 万が一、死後、幽霊? になったり、転生したりした場合、その死後の人生のケアを保証する保険をどこかで作ればいい。「転生安心」とか、「ゆったり霊魂」なんて商品名でどうだろう?
- 真に一撃必殺の技を持つ格闘家は、それが無痛であれば安楽死の引導渡しを仕事にして病院で雇われればいい。まぶたを閉じて数秒でさようなら、だ。
- 死ぬまでコーラや死ぬまでマックは、ユーチューバーが自殺志望者なら明日にでも実現する案件だ。
- 自殺の現場を見られたくないのは、警察官よりも両親だったりするのが人情だろうが、マジキチはムリヤリ呼んででも両親に自分の死に様を見せたかったりするらしい。それ、呪術か?
- 酒で死ぬのも若いうちの方が楽しいと思う。
- 焼身自殺はにおいがきついとよく聞く。
- 多くの人は首縊りのまねごとをした経験がある。あの感覚が忘れられないといつか首を吊る。
- 自殺の寸前でも僕はわがままだ。嫌なことはしたくないし、いまさらいい人でいたいとも思わない。周囲に従順に生きられいい人なら自殺はしないと思う。
- これは事実だ。自殺で保険金がおりないから、みんな事故に見せかけて自殺する。
- 明日とか今日とか予定通り、スケジュールをすすめられるのが、自殺のよいところ。
- 呪いをかけるくらいなら死ぬ前に直接やる。死んだら、ゆっくりさせてくれ。
- 先祖代々の墓に自殺者でも入れてもらえるのか、なかなか家族に聞けない。
- 国が自殺者に責任を感じない以上、企業も学校も感じなくていいと思う。国が全国民に100万円ずつ配れば、確実に自殺は減る。間違いなく、それでも日本は破綻しない。つまり、自殺よりも金ということだ。
- 自殺に銃器を使いにくいのは日本に生れたハンデだと思っています。
- ブレーキを外した改造車で、自宅の車庫から出そうとするだけで自殺できる自信がある。
- 神が自殺を許さないのは、やはり宗教団体が死者を信者としてカウントできないからだろう。
- 投身自殺のアスファルトの衝撃音は、なぜ、他と違う特別な音に聞こえるのだろう。気のせいか?
- 無理なお願い。例えば、僕がいますぐここで自殺したとして、即刻、きれいに僕のことを忘れて欲しい。
- 各種動物に実験を施して、まず自殺する知力をつけさせることで、人間へ近づける。
- 人類全体でみれば、すでに自殺はホモ・サピエンスの悪いクセになっていると思う。
- ビニール袋をかぶって空気を抜いて窒息するとか、約2リットルの血液を抜いて失血で死ぬとか、メジャーでない自殺の仕方は、やはり多くの自殺志願者の心に響くものがたりない。
- ハラキリ。自決の国なので、自国の伝統的文化の実践として自殺するのもありだと思う。
- 救急で運ばれた自殺者をたすけるために後まわしにされる普通の命もある。医師も看護師もなにも考えないようにして、仕事するしかない。
- 父も兄も自殺した時、僕は自殺を自分の運命だと感じた。きみもそう思うだろ?
- 忘れられない同窓生はいじめで自殺した彼だったりする。
- 目の前に人が落ちてきた時、本当に驚いた。落ちてくる彼と目があった。あれ以来、ホラー映画がつまらない。やはり、リアルと映画は違うと思う。
- 対向車線に突っ込んで数人殺して、自分も亡くなった彼が、自殺志願者だったことは警察には言いにくい。
- 針千本飲んで自殺した人を勇者と呼んでいいですか?
- どんな局面でも自殺者がでるたびに、深まるのはそれぞれの孤独だ。
- 自殺者の葬儀、通夜でにぎやかに騒いでいるやつは本物のバカだと思う。
- 自殺行為はしても、自殺はしたくはないという人が多い。
- 愛する人に殺されるくらいなら自分が自殺した方がマシというのも1つの愛のカタチだろうか?
- オーラや前世を説くものに、自殺志願者として問いたい。あんた、本気で、来世や転生、霊魂を信じられるかい。オレの死後をなにか保証できるか?
- 死なないでと言われても、いまでなくてもいつか死ぬ。
- 生まれた時から死ぬ権利もある。ただ、場所と時を選ぶ自由がないだけだ。
- 終身医療の次は自殺医療がくると思っている。
- 死後の世界を説くやつはそいつ自身の死後しか知らない。人生がそうなように、おそらく、死後も全然、1人1人違う。
- 医療が発達して部分的に死んでいけるようになったら、それでも多くの人は全身、全部の死を望むだろう。生と死はALL or Nothing。
- 自殺も寿命だとすれば、つまり長生きするやつは生きる意志が強いのだろう。
- あなた自殺しなさい、は、あまり使われない命令の一つです。
- エンティングノートを書いて、すべてをすませて余命いくばくかのはずが、そこで全快、あと数10年は生きるとなれば、当然、自殺も視野に入ってくる。
- 自殺してごめんね。でも、どうしても、したかったんだ。代わりの方法が見つからなくて。僕が死ぬ代わりに世界を滅ぼすのはムリだし、みんなに迷惑がかかりすぎる。
- 自殺。の字面が悪いので、閉幕や終了と呼ぶようにしようかと、自殺大国日本の国会では審議される予定らしい。
- 誰にも迷惑をかけずに静かに自殺したいのなら、心正しくまじめに生きて100年もすればたいがいは静かに死ぬことができる。
後口上
思いついた時にさくっと形にできるのが、文芸のよいところだと思います。
内容が内容ですが、47歳のおじさんのたわ言ですので、深く考えずに楽しんで頂ければ幸いです。
それでは、失礼します。