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今、観ることが出来る作品を今、観る。by.chojo

ごあいさつ

こんにちわ。長女です。

12月も半ばを過ぎようとし、年の瀬だなと思っている私です。

本さんがなかなかブログを書く暇がないので『アイツは生きているのか』と思われる読者の皆様も多いかとは思いますが(笑;;)
しっかりと生きております。←脳出血の為、毎年冬になると寒がりだすのです・・・。
私から言わせれば、お肉がついているにも関わらず寒いだなどとはっ!!??
困ったものだとブツブツ言っていたら聞こえてました。←本さん:『だから聞こえてるよっ!!』
本さんの記事を楽しみにされていた方、私の記事ばかりですみません。
本さんにはしっかりと書いてもらうよう、私が一発、いや一発ではなく何発もお見舞いしておきたいと思います。

 

と思いきや、ひとりでおみかん食べてるじゃないですかぁっ!!!!!?????

本さん:『あっ・・・』
私:『手が黄色くなりますよっ!!!!!しかもそんなにおみかんの皮をたくさん机に広げてっ!!!!!』
本さん:『ちゃんと手をふきますから。片付けるし。ふふふん♪おいしい♪』

 

バシンッ!!!!!

 

お見舞いしたデス。

 

本さん:『僕のみかんがぁ~!!!!!』

 

 

*私、長女による映画の説明*

ここ一年を通して、年間的にも私が映画館へ足を運んだのは今年が一番多かったかな、と思います。

本さんが映画を観る気持ちが分かったような、分からないような。

 

否、

 

分かりたくない。←本さん:『おぃっ!!』

 

と、ここからが本題です。

私なりに、映画批評と言うと大袈裟ですが、自分なりに一生懸命書いてみました。

今からご紹介する作品は、私の中での大きな作品になったと思っています。

※私、一個人の感想なので捉え方は人によって様々だと思います。
以下、ネタバレも含みつつの長文ではありますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
(物語の進行上、うろ覚えの箇所もあるかもしれませんが申し訳ありません)

 

では、以下長文となりますが、最後までお付き合い頂けると幸いです。

 

ご紹介する作品はこちら

 

『閉鎖病棟 ーそれぞれの朝ー 』

 


『閉鎖病棟―それぞれの朝―』予告編

 

あらすじ
山本周五郎賞を受賞した帚木蓬生のベストセラー小説「閉鎖病棟」を、「愛を乞うひと」の平山秀幸監督・脚本で映画化。
長野県のとある精神科病院にいる、それぞれの過去を背負った患者たち。
母親や妻を殺害した罪で死刑判決を受けたものの、死刑執行に失敗し生きながらえた梶木秀丸。
幻聴が聴こえて暴れるようになり、妹夫婦から疎まれて強制入院させられた元サラリーマンのチュウさん。
父親からのDVが原因で入院することになった女子高生の由紀。
彼らは家族や世間から遠ざけられながらも、明るく生きようとしていた。そんなある日、秀丸が院内で殺人事件を起こしてしまう。
笑福亭鶴瓶が秀丸役で「ディア・ドクター」以来10年ぶりに主演を務め、秀丸と心を通わせるチュウさんを「そこのみにて光輝く」の綾野剛、女子高生・由紀を「渇き。」の小松菜奈がそれぞれ演じる。
2019年製作/117分/PG12/日本
配給:東映

 

またマニアックなものを持ってきたなと思われるかもしれませんが・・・(笑)←決して本先生に勧められたからではありません。

どちらかというと、主題歌がアーティストのKさんが歌っていたから、というのが一つですかね。
私の好きなアーティストさん(K-POP)です。

 


K- 光るソラ蒼く Music Video(Full Ver.)


優しい歌声がKさんの魅力ですよね。

そして、この作品は今まで自分自身が関わってきた人生の中でも観なければいけない作品だと思ったからです。

 

原作は帚木逢生(ははきぎ ほうせい)。
1974年、福岡県生まれ。
東京大学仏文科卒業後、TBSに勤務。2年で退職し、九州大学医学部に学び、今現在まで精神科医として務める。
1993年『三たびの海峡』で吉川英治文学新人賞、1995年『閉鎖病棟』で山本周五郎賞、1997年に『逃亡』で柴田錬三郎賞、
2010年『水神』で新田次郎文学賞、2011年『ソルハ』で小学館児童出版文化賞、2012年『蠅の帝国』『蛍の航跡』の2部作で日本医療小説大賞、2013年『日御子』で歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞。
近年2017年『守教』。
その他、『国銅』『風花病棟』『天に星 地に花』『受難』などの小説のほか、新書、選書、児童書などにも多くの著作がある。
(閉鎖病棟 ーそれぞれの朝ー パンフレットより)

 

原作者を見てお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、彼は精神科医です。
2005年、福岡県中間市にて精神科・心療内科を開業し、開業医として活動しながら、執筆活動を続けています。
医学に関わる作品が多く、またご自身(精神科医)の立場から『ギャンブル依存とたたかう』を上梓。
2008年、短編「終診」(『風花病棟』に収録)を執筆後にたまたま受けた定期検査で急性骨髄性白血病に罹っていることが判明。
半年間の入院生活の後、復帰しました。
(Wikipediaより)

 

原作ありきの映画作品ではありますが、私は原作未読です。
タイトルが『閉鎖病棟』とあるので、観る人を選ぶ作品じゃないの?と引いてしまう方もいるんじゃないかなと。
(私が映画館で観たときは『えっ・・・、私一人しかいないの!?』と上映開始時間まで内心ヒヤヒヤしていたのですが、そのあとしっかりと映画好きのお客様が何名か来たので安心しました(笑;;)
それでも数名程度ですかね)

 

*登場人物たちの紹介(かなり重い&濃いです)*

はじめに。
病院として観てしまうといろいろと矛盾だらけと言いますか、つつくとキリがないので。
あくまで、

 

一人一人の人生の道(way of life)

 

生き方の道(way of living)

 

の物語だと思って観ました。
(一般病棟とは違う空気感、いかにリアリティを出していくのかがテーマである、ということで。メインとなる閉鎖病棟内の撮影は、実際の精神科病棟で行われました)

 

あらすじの登場人物より

・笑福亭鶴瓶さん演じる梶木秀丸(かじき ひでまる)
・綾野剛さん演じる塚本中弥(つかもと ちゅうや、チュウさん)
・小松奈々さん演じる島崎由紀(しまざき ゆき)

 

大きく三人に焦点を当てて書いていきたいと思います。

 

まずは、どの患者さんの達の雰囲気も私は十分に伝わりました。
食事をするシーン、談話をするシーン、就寝するシーン、発作を起こすシーン。

 

『帰りたい』

 

みんな帰りたい。

ひとりが帰りたいと言い出した時、呼応するかのように

『帰りたいよ、帰りたいよ!!』と騒ぎだすところなど、難しい役を俳優さん達の演技で、私は見入っていました。
上記にあげた俳優さんももちろんですが、それ以外にとくに印象に残った俳優さんは坂東龍太さん演じる丸井昭八(まるい しょうはち)です。
言葉が上手く話せなくて、カメラ片手にシャッターを切る青年役です。

(原作では耳も聴こえない設定)
自分の好きなものを一つでも持っている彼は、とても魅力的でした。
そして、自分の好きなものだからこそ、勇気をもって話してくれたことも印象的でした。
(彼も結構重要人物です。感想を書いている時にのちほど出てくるかと思います)

 

・笑福亭鶴瓶さん演じる梶木秀丸(かじき ひでまる)

 

なぜ彼は妻と母親を殺害し、死刑囚となってしまったのかーーー


物語の主な鍵となる人物(キーパーソン)で、過去に母親や妻を殺害した罪で死刑判決を受けたものの、死刑執行に失敗し生きながらえたのが彼です。

  

ある日仕事から帰ってきた秀丸は、妻が浮気をしている現場を見てしまったことがきっかけとなります。
母親が要介護の為、自宅で献身的に看病をしていたのでした。
妻は、夫の留守の間、まだ帰ってこないだろうと思っていた矢先の出来事だったのです。


『これは違うのよ、誤解なの!!話を聞いて!!』


秀丸は完全に我を失っていました。
台所から包丁を持ち出し、結果、相手と妻を刺し殺しました。
残された母はというと、静かにまだ眠っていました。

秀丸は自分が犯してしまったことの罪に、思いとどまるのですが・・・

自分の手で、マフラーを母の首にかけ、絞殺。

 

吐き気と、動悸と、静けさと。

 

人を殺めてしまった罪を、一生背負う人生を秀丸へ課せられました。

時が過ぎ、死刑時の後遺症で足腰が不自由の中(脊髄損傷だったかと思います)、行政機関の病棟をたらい回しにされながらも、病棟内にある陶芸小屋で静かに生活をしています。

あんなことがなければ・・・と思うかもしれませんが、人間と言っても生き物、ナマ(生)モノ(物)なんです。

 

感情がある。

 

じゃぁ、感情がなければ楽に生きていけるのか。
一つの感情が欠けてしまうと生きてはゆけないよう、作られているんです。
そうじゃなければ、『閉鎖病棟』なんていう建物、存在自体が必要ではない、とか。

 

秀丸が犯した罪は、罪なのでしょうか?
罪ではないのでしょうか?
責めることができるのでしょうか?
人として、当然の感情だったのでは?

 

『あなただったら、どうしますか?』

 

のちのち、物語後半に繋がる一つの課題となって出てきます。

 

・綾野剛さん演じる塚本中弥(つかもと ちゅうや)

 

『事情をかかえてない人間なんていないから』


予告時にもこちらのセリフが出てきますが、事情をかかえてない人間なんていない。
本当にそう、思いました。

一見幸せそうに見える人でも、同じ病棟の患者、木野花さん演じるてんかんを患っている石田サナエは『家族のもとへ帰るから』『今日はLIVEに行ってくるのよ』と意気揚々と外泊許可を得て出掛けて来るのですが、実際はカプセルホテルに泊まって帰ってくるだけ。
みんなサナエさんが嘘をついていることも気付いている。

チュウさんが由紀と会話をするシーンです。

 

『ここにいる人は難しいからね』

 

何気ない会話かもしれませんが、表面上の見えている部分だけでは分からない『何か』が潜んでいると思いました。

中弥は、チュウさんと言う呼び名(愛称)で病棟で生活をしています。
チュウさんは何がきっかけとなって妹に連れられて長期入院をすることになったのかは詳しく描かれてはいませんでしたが、ある日を境に幻聴が聞こえてくるようになってしまうのです。
普段はどんな感じで過ごしているのかというと、花壇で草木のお世話をしたり、秀丸をひでさんと慕い、『買い出しに行って来るけど、何か欲しいものある?』と聞き合う仲。
その買い出しと言っても、中には病棟内で売る物もあったりと。←主に洋服とか、手袋や帽子、スカーフなどの小物類とかです。
(承知の上かとは思いますが、当然ながら病棟内での売買は禁止です(笑;;))
看護師さんに毎度、注意されているようです。

(内緒で患者さん同士でやりとりしてるんでしょうが、見つかっているようですね)

抜けたところもあるけれど、どこか憎めないところがある。

秀丸をチュウさんが慕うように、チュウさんを慕う人もいるのです。
そうです、先程少し出てきたカメラ好きの青年、坂東龍太さん演じる丸井昭八(まるい しょうはち)です。
チュウさんは『昭八ちゃん』と呼んで、何かと気にかけては一緒に過ごす時間が多いです。
チュウさんと昭八が笑顔でいてくれることが微笑ましかったです。

だからこそ、穏やかな雰囲気からガラッと変わって病棟内で発作を起こすシーンでは息を呑みました。

 

『うるさい・・・』
『うるさいって・・・』
『うるさいな、だから黙れって言ってんだろっ!!!!!』
『聞こえる、聞こえるんだよ・・・!!!!!』

 

物静かなチュウさんが看護師に腕や足を取り押さえられて保護室へ連れられて行く様は観ていられませんでした。

 

『”これは閉鎖病棟の話なんだ”と観客のみなさんが気づく。みなさんから見た、幻聴を起こして苦しむチュウさんは本当に病人だと思いますか?と問いかける役割を務めさせていただきました』

とあるように、

『役に呑み込まれて、苦しまないでほしい』と監督に言われた綾野剛さん。

『大丈夫です、僕は』と返したのですが、撮影中、監督が大きな安定剤になっていたのだと思います、と述べておりました。過酷なシーンだったんだなと想像できます。

 

演技として彼を観るのか、

病人として彼を看るのか。

あれは本当に演技だったのか、

そうじゃなかったのか・・・。

何が本当で、なにが本当じゃないのかだなんて、分かるものではありません。

 

看護師:『チュウさん、面会者だよ』

面会へ来たのは、チュウさんの妹夫妻でした。

彼をどこまで知っているかだなんて、誰にも分かりません。

自分が自分じゃなくなるとか、自分って何?というテーマを突き付けられた気がしました。

 

・小松奈々さん演じる島崎由紀(しまざき ゆき)

 

『私の居場所はここしかない』

 

ある日、由紀が閉鎖病棟に来たのは母親とでした。

母:『この子、部屋に閉じこもって、私には何もしゃべってくれないの。
このままだと私もどうしたらいいのか・・・。
しばらくここで診てもらおうかと思って』

問診中、何も話すことが出来ない由紀。

看護師長は、『お母さん、別室で少しお待ち頂いてもいいですか?』と、席を外してもらいます。
由紀の尿検査の結果、由紀自身が妊娠をしていることが発覚します。
師長:『あなた、妊娠しているわ。この事は、お母さんに言ってあるの?』
黙ったまま、さらに何も言い出せない由紀。
突然部屋から飛び出し、逃げるようにエレベータに飛び乗り、屋上へ向かいます。
何が起こったのかと、病棟内もパニックになり、由紀を取り押さえようと追いかけます。
その場に居合わせたのが、秀丸だったのです。

秀丸:『どうしたんや?なにかあったんか?』
そのまま一緒に屋上へ。

車いすを引いて行き着いた先は・・・、

事態を把握した秀丸は、飛び降りようとしている由紀に対して必死に

秀丸:『やめぇやぁ~!!!!!』と声を出して止めようとしたのですが由紀は迷うことなく、地面に吸い込まれるように飛び降りてしまいました。

 

目が覚めると、病室のベッドの上でした。

 

師長:『元気があるのはいいけどね。幸い、軽いケガで済んだから。お母さん、やっぱりしばらくはここで入院させるって。
それで・・・、お腹の子はあなたが飛び降りた時に』
秀丸:『安心して寝むりや。なにも心配することあらへん。誰も来たりせぇへん。大丈夫や』

秀丸の傍には、チュウさんもいました。
秀丸、チュウさん、由紀。三人の出会いでした。

由紀は、そのまま眠りに落ちました。

 

由紀には、誰にも言えない闇を背負っていました。


母との再婚相手と思われるトラックの運送会社を経営する義父から執拗に身体的虐待・DVを受けていました。
虐待というよりも、性的暴力でした。

 

『由紀~、あそぼうよ~』

 

部屋のドアから追い出そうと、泣きじゃくり嫌がる由紀に対して、義父は顔を出し、無理矢理に部屋に入っては由紀を押し倒し、性行為をしていたのです。

 

きっと、一度ではありません。

 

何度も、

 

何度も。

 

母親が留守の間の出来事でした。
何事もなかったかのように過ごしていたのですが、由紀は限界でした。

 

お腹の子は、義父との間に出来た子供かもしれません。

 

しばらく入院生活をすることになっていたのですが、由紀の入院は必要ないと、義父が母親と一緒に病院へ強制退院させると言いに来ます。

 

義父:『もう大丈夫でしょ?家族が一緒に居る方が良い。そう思うのは当然でしょう?家族なんだから』
師長:『そうですね。ご家族が一緒にいることはよいことだと思います』
義父:『そうですよね、私達もそう思っていますよ。だから、退院出来ますよね?』
師長:『あの、退院させるおつもりですか?まだ退院手続きもありますしーーー』
義父:『分かりました、じゃぁ~、今日、退院します。うん。今、決めました。良いですよね?退院出来ますよね?』
師長:『これからですか!?由紀ちゃん・・・?』
義父:『ほら?由紀?一緒に帰るよ、お家に帰ろう』

義父は師長の意見など聞く耳もありません。むしろ、もう用が済んだからとっとと帰るんだと、意気揚々としていました。

 

隣で母親も見ているのに。

 

当然、由紀にとって帰るべき場所である我が家は、地獄に戻る事と一緒です。
何も言い出せない由紀に対して師長も心配していたのですが、義父に逆らうことも出来ず、強制退院させられてしまいました。
由紀が急に退院すると聞いた秀丸やチュウさんも驚いていたのですが、チュウさんと一緒にいた昭八は、いつもと変わらずカメラのシャッターを切って由紀の写真を撮り始めました。


彼に悪気などありません。
退院祝いだと思っていたのかもしれません。

 

タクシーへと乗ろうとしている由紀の姿を無心に撮る昭八に対し、温厚だった義父の態度はというと

 

義父:『やめろって言ってんだろうが』

 

と蹴り飛ばし始めたのです。

 

ごめんなさいと、しゃべることも、抵抗することもできない昭八へ、異常なほどの怒りをぶつけました。

由紀:『やめて!!やめてっ!!お願いだから車を出して!!帰るから、帰るからもぅやめて!!』

無情にタクシーが病棟を後に走り出しました。

 

冷たい空気が流れ、あの家へと帰ってきました。

 

義父は仕事に出掛け、母と二人きりになった由紀。

 

由紀:『お願いだからあの人と別れて!!何でも言うこと聞くから!!何でもするから!!だからあの人と別れて!!』
母:『やっとあんたのこと病院でやっかい払いできたかと思っていたのに。
あんた・・・、私が何も知らないとでも思ってんの・・・?気付かないとでも思ったの・・・?私が仕事から帰ってくるまでの間、何、してたのよ・・・』

 

気付かれていた、母に、知られてしまった。

 

知っていたのだ。

 

娘と義父が、性的関係になってしまったことを。

 

母:『お金は後から何とかするから、あいつが帰ってくる前にとっとと出ていきなっ!!』

 

家を飛び出し、義父が帰ってくる前にこの場から立ち去らなくてはと、事務所へ入ってお金をかき集める由紀。
事務所から出ようとした時、一台のトラックが帰ってきました。
義父です。
義父:『あれ?誰もいないはずなのに』
事務所に明かりがついていることが分かってしまいます。

このままでは見つかってしまう。明かりを消して、息を殺して事務所に残る由紀。
階段を駆け登る足音がすぐそばまで聞こえてきます。
事務所の電気をつけて、

 

義父:『誰かいるの?』

 

由紀がいました。

 

義父:『こんなとこで何してんの?』

義父から立ち去ろうとしたその時。
あの時と一緒で、ドアから由紀を抱き押さえ、身動きが取れないようにしました。

由紀:『離してっ!!お母さんがいるでしょ!!??お母さん、私達のこと知ってるの!!』
義父:『お母さんはお母さん、由紀は由紀だよ~。ねぇ?一緒にいようよ、仲良くしようよ』
由紀:『離して!!離してっ!!!!!』
義父:『大きな声出すなってば』

 

階段の上でもつれる二人。
声を聞きつけた近所の人が

 

『大丈夫かい?何かあったのかい?』

 

と聞いてくれたの束の間、

 

義父:『大丈夫です~、なにもないですよ~。ほら、由紀、由紀、由紀』

虚しく通り過ぎてしまうかすかな望み。
せっかくの助け船が、また、消えてしまう・・・。

 

由紀:『はなし、てっ!!!!!』

 

突き飛ばした拍子に階段から転がり落ちてしまった義父。

 

義父:『痛っってぇぇ~、、、、、

ゆき~、ゆきぃぃ~ゆきぃぃい~』

 

転がり落ちても、なお由紀の名を呼ぶ義父。
おかまいなしに義父を踏みながら病棟を目指しました。

 

夜が明けて、ゴミ捨て場へ来た秀丸。
そこには、ゴミ山で暖をとっていた由紀が寝ていました。そんな由紀を見てふふっとした表情を見せた秀丸。

 

由紀は戻ってきました。

 

居場所はここしかないという由紀の気持ち、どう思いますか?
外の世界は、由紀にとって幸せなのでしょうか?
それとも、外の世界から由紀を守ることは間違いなのでしょうか?
本来の家族の生き方の中で、轢かれたレールの上で、由紀は決められた生き方で、生きて行かなくてはいけないのでしょうか?

 

 

 

 

それぞれの三人の物語は、これからどうなるのか。

 

 


まとめ 暗くつらい物語を紹介していて疲れてしまったデス。。。

感想を書くつもりが、物語を書きながらなので長くなってしまいました。

 

『ぜんぜん感想が入ってこないじゃないのよっ!!!!!』

 

と思われた読者の皆様、すみません。
(ここからの物語が終盤へと盛り上がるのです)

 

秀丸も、チュウさんも、由紀も、どの登場人物も生きているんです。
タイトルでそれぞれの朝とあるように、朝を迎える三人の感情(情景)は、様々です。

 

では、ここまでの感想を。

 

"閉鎖病棟"どころか、"精神科"すら怖い存在だと思う人は、今でも少なくないだろう。

 

パンフレットに書かれていた一文です。

上記でも書いたように、タイトルからして引かれた方も多いかと思います。
それが、現実だと思います。
普段からこのような言葉に慣れ親しんでいる人はいないと思うからです。

 

でも、思うだけで。


私が知らない世界は拡がっているいるんです。

 

今でも。

 

これからも。

 

きっと、

 

ずっと。

 

各メディアで取り上げられるようになったのはまだまだここ最近で、精神病(精神疾患)の例として躁鬱病(そううつびょう)や睡眠障害と訴えても『怠け病でしょ』と言われる状況下だったかと思います。

 

『自分ももしかしてそうなのかな・・・』

 

自らが『そうなのかな』と思って精神科を受診することは、私はいけないことだとは思いません。
みんなと何が違うんだろうと気付くことができる。
こうしたい、と思う自分がいる。

数年、何十年と経った今、

 

『受診したら病があった、障害があった』

 

という例は稀ではありません。

 

障害だったんだ、病だったんだと聞いて、自分のせいじゃなんだと、精神的に救われる患者さんも少なからずいらっしゃいます。
医師によっての見解は何通りもあると思います。

 

セカンドオピニオンを受けようと思われた患者さんもいます。

 

・セカンドオピニオン(当事者以外の専門的な知識を持った"第三者"に求める「意見」、または「意見を求める行為」のことである。 日本においては主に医療の分野で用いられる用語である。Wikipediaより。
なぜ第三者なのか。
肉親や身内が入り込むことによって、より、見解が複雑になるからだと、私は思います)

↑話がそれますが、よくよく考えてみれば、主人の姉兄上(もはや誰が姉で誰が兄なんだも分からないきょうだい)の長女である看護師(本人は婦長だと言いますが、私に言わせれば失礼極まりないです)だと言うのであれば、私と一緒に主治医の意見を聞いて助けたいだなどと、御法度だと思います。紹介状ですらないですし、作る気もこちら側はありません。

症状を改善したいと思うのであればなおさらです。


患者からしてみれば、完治する薬があるのであれば、喉から手が出るほどだとも思います。
飲みたくもないし、出来るのであれば飲ませたくもない。

 

『普通って何なの?』

 

普通という言葉ほど、使いたくない言葉はありません。

 

残念ながら、完治する薬はありません。
同時に、差別もなくならないと思います。

 

『病気の人となんか、障害がある人となんか関わりたくないと思うこと、それの何がいけないの?』

 

『迷惑かけて生きているんだから、それぐらいしたっていいよね?』

 

生きているだけで"害"と捉えられている私達は、生きていてはいけない存在なの?

 

そんなこと、誰が決めたんでしょうか。
生きる権利は誰にでもあります。

 

私にも、

 

あなたにも。

 

かと言って、傷付ける行為は決して許されることではありません。

 

映画の登場人物、秀丸の話に戻ります。

 

人は感情で生きています。

 

情で生きています。

 

愛情も、情です。

 

どの感情もひとつでも欠けてしまうと、人間は、人間ではない、"何か"でしかないモノ(物)になってしまいます。

 

誰かが"ひとり"いるだけで人間は優しくなれる。
待ってくれている人が"ひとり"でもいる。

たったひとりの存在で、人は何度でも立ち上がれることが出来ると思います。
そう私が思いたいから、そう思うのです。

 

そんな人達から勇気をもらうことって、恥ずかしいことですか?

 

まだまだ書き足らないではありますが、次回に持ち越しということで。

 

ではでは。

次回へつづく・・・。

 

 

おまけ

 

 


Kream - See The Light

最近はこの曲が好きです。

ワンオクと同じような曲名かもですが。

 

みんなにも光が、朝が、

 

来ますように。

 

 

生きて、

 

生きて、

 

生きて。

 

 

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