場内はほぼ女性客でした。メインの出演者5人は40歳以上(50代も含む)の声優。これは観るのもつくるのもタダものではない。声優が芝居をしているとしか言いようがない現実。この続きはアニメでという流れがなんとなく見える。☆D5 5人の探偵(2018年 日本)
ただ作品を観るだけでは、十二分に楽しめない映画というのがたまにあります。
この「D5 5人の探偵」はまさにそんな作品でした。
鑑賞の事前、事後の情報収集や、パンフレットの購入、熟読は必須なタイプの作品です。
でないと、40代と50代のおじさんたちが演じるマンガORアニメの登場人物のようなスーパー探偵たちの推理劇にあ然として終わり、ということになります。
いちおう、アクションシーン的なものもほんのちょこっとはありますが、約90分の作品の90%はブルーシートの前での会話劇です。
声優さんがやっているのでまるで朗読劇のような感じでもあります。
声の演技はもちろん達者ですが、映画全体の雰囲気が、押井守監督の実写映画的というか(アヴァロンとか東京無国籍少女とか)アニメ、マンガフィールドの人が3次元劇をやってるみたいな非現実感があります。
あれに馴染めない人はこれもダメでしょう。
お話は、わりあいちゃんと出来てます。
言ってはなんですけど、すべての設定も探偵も犯人も、いろいろとミステリマンガみたいなものだから、超マジメなミステリ映画を観るつもりでいるとがっかりします。
劇場で奇妙な経験をしたい人にオススメする映画です。
こういう企画を実現させて実際に劇場公開まで持っていくのはすごいエネルギーだと思います。
パンフに載っていた全員のスケジュールが合わなくて、探偵5人が揃って撮影できた時間はトータル6時間!!ほどだったそうです。
それでもこうして映画が完成しているのは、制作陣のすごい情熱だと思います。
繰り返しますが、僕はそういう、多くの人が劇場へ行かない、レンタルさえされるかどくかわからない作品をススめることが多いですが、アニメ臭が平気で珍品の邦画ミステリ歓迎の方は、観るべきです。
そんな、あなたのための映画です。
最後に押井守監督の「東京無国籍少女」の予告を貼っておきます。
感覚的にいろいろ似てます。
これもヒットはしていませんが、僕はけっこう好きです。
解説
緑川光、小西克幸、岸尾だいすけ、浪川大輔、森久保祥太郎という人気声優たちが探偵を演じ、密室で起こった殺人事件の謎に迫っていくミステリーエンタテインメント。ある劇場の舞台に集められた、それぞれ面識のない5人の探偵。彼らは「マイスターQ」と名乗る姿を見せない依頼人から、劇場内で起こった殺人事件の真相解明を依頼される。被害者は国際的なIT企業の創業者で若き富豪の八代誠一。マイスターQは八代の親友であり、特殊な事情で自分の素性は明かせないが、警察には知らせずに八代を殺した犯人を突き止めたいという。最初は互いに牽制しあっていた5人の探偵は次第に協力しあい、謎に挑んでいくのだが……。監督は「ポチの告白」などで知られるGEN TAKAHASHI(高橋玄)。
スタッフ
- 監督
- GEN TAKAHASHI
- 原作
- 蓮都えるむ
- 脚本
- GEN TAKAHASHI
- エグゼクティブプロデューサー
- 小原和史
- 高橋玄
- 落水恒一郎
- 佐々木浩司
- プロデューサー
- 川本淳一
- 旭正嗣
- キャスティングディレクター
- 内村友祐
- 音楽ディレクター
- 高井麗
- 撮影
- 堂前徹之
- 照明
- 小川満
- 録音
- 藤林繁
- 美術
- 林天外
- 衣装
- 宮田弘子
- スタイリスト
- 宮田弘子
- ヘア
- 鈴木理恵
- メイク
- 鈴木理恵
- 編集
- 太田義則
- サウンドデザイナー
- 柴崎憲治
- 音楽
- SHIKI
- 殺陣
- 吉田健児
- スタント
- 吉田健児
- ガンエフェクト
- 浅生マサヒロ
- 助監督
- 山鹿孝起
- 大神田リキ
- 制作担当
- 石井雅教
- メイキング
- 土屋トカチ
キャスト
製作年 | 2018年 |
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製作国 | 日本 |
配給 | 創造惑星 |
上映時間 | 93分 |
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(解説・データ出典 映画.com)