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映画「12ラウンド」(2009)のあらすじとネタバレ感想 WWEのスパースター、ジョン・シナ主演のアクション映画です。

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画像出典元URL:http://eiga.com

 12ラウンドの評価

☆☆☆★★

興行収入、放映権料、グッズ販売売上などどれをとっても世界一のプロレス団体、米国のWWEが制作した映画です。

配給は20世紀フォックスで2009年に米国で公開されました。

日本では劇場公開はされず、ビデオスルーで、セルやレンタル、WOWOWやアマゾンプライムなどで観ることができます。

WWEはプロレス団体といっても、ディズニーをライバルにしている世界的なエンターティメント企業で、自社所属のプロレスラー(WWEでは自社のレスラーをスーパースターと呼びます)を主演にした映画も多数制作していて、米国ではそれなりにヒットしていたりもします。

たまにWWE制作の映画が日本でも劇場公開されますが、だいたい単館か、イベント上映だったりするのが、ファンとしては悲しいところです。

本作の主演のジョン・シナはもともと少年の頃から大のプロレスファンで、ボディビルダーを経て、プロレスデビュー、地方のインディーからWWEのリングへと着実に階段をのぼってきた米国のベビーフェス(正義の味方側レスラー)です。

プロレス以外、格闘技経験のない、ある意味、本物のアメリカンプロレスラーなので、ボディビルで鍛えた肉体はともかくとして、果たしてアクションはできるのか? 彼の主演映画を観るまで僕も不安でした。

ですが、シナ主演の前作、「ネバー・サレンダー 肉弾凶器」で彼の演技を観て安心しました。

スタローンやシュワルツネッガーのアクション映画を観て育った世代の僕からすれば、シナは彼らと同格かそれ以上の演技ができるアクション俳優であり、最近で言えば、「トリプルX」や「ワイルド・スピード」のヴィン・ディーゼルよりも僕らプロレスファンは感情移入しやすいかもしれません。

しかも本作の監督は「ダイハード2」や「クリフハンガー」、最近ではジャッキー・チェンの「スキップ・トレース」のレニー・ハーリンで、これってなかなか期待できるかも? と観る前はワクワクしていました。

結果もそう悪くなかったです。

110分はちょっと長いですが、工夫をこらしたシークエンスてんこ盛りで、楽しませてくれた本作に僕は☆3つをつけました。

一観客として、気軽に観るB級アクション映画としては合格です。

配給会社がちゃんと宣伝してくれれば、シナの映画は日本で劇場公開しても、スマッシュヒットくらいならするかも、なんて思います。(ヴァンダムやセガールが全国公開されない現状ではWWEはムリか)

見どころはネタバレ感想の項目をご覧ください。

12ラウンドのあらすじ

マイルズ逮捕

 

制服警官のダニー・フィッシャー(ジョン・シナ)は、相棒のハンク・カーヴァー(ブライアン・J・ホワイト)とのパトロール中、FBIに手配されていたテロリスト、マイルズ・ジャクソン(アイダン・ギレン)を発見し、街中でマイルズの車を走って追いつめ、マイルズを逮捕します。

しかし、その際に、マイルズの彼女であるエリカ・ケッセン(ティラー・コール)が車にはねられ、死亡してしまいます。

1年後

刑事に昇進したダニーの元に脱極したマイルズから電話がきます。

直後、ダニーの家はマイルズが仕掛けた爆薬により爆破されてしまいました。

電話でマイルズがダニーの恋人のモリー・ポータ(アシュレイ・スコット)を狙っていることを知り、フェリーで職場へ出勤したモリーを追うダニー。

しかし、モリーはマイケルズに捕えられ、さらわれてしまうのでした。

12のゲーム

マイルズはモリーの命を掛けて、ダニーと12ラウンドの勝負をすることを提案してきます。

すでにゲームは1ラウンドめは家の爆破を止められなかったダニーの負け、2ランウンドめはモリーの誘拐をとめられなかったダニーの負けと、ダニーの★先行で進行しています。

ゲームは今後も、マイケルズからの電話の指示で進んでいきます。

 

3ラウンドめは、マイケルズとダニーが初めて出会った場所で手がかりを探せと言われ、店の商品の携帯電までたどりつきました。

4ラウンドめはオーリンズ貯蓄貸付銀行の貸金庫内の手持ち金庫の箱を2つ手に入れろ、で無事手に入れました。

5ラインドはニコルス通りの波止場。消防車を借りてルール無視で乗り付けたそこで、金庫の一つは爆発します。残った方に入っていたメッセージでホテルモンテレオーネへ。

6ラウンドめは、落下するエレベータから1分以内の脱出ゲーム。

ダニーは無事、脱出しますが、巻き込まれたホテルの従業員は亡くなってしまいます。

7ラウンド。ついに走るバスの中で、ダニー、モリー、マイケルズは顔を合わせますが、マイケルズはバスに仕掛けた爆弾を爆発させると、ダニーを巧みに脅して、ダニーに8ラウンドめの紙を渡し、モニーを連れて逃亡します。

FBIの狙撃部隊も失敗し、ダニーはその銃撃で負傷しました。

8ラウンド。ブレーキと無線が破壊され、路面電車が暴走します。ダニーはそれを止めるために、発電所に車を突っ込ませ、停電を起こします。

9ラインド。ダニーとは別行動でマイケルズを追っていたハンクが、マイケルズに殺害されました。殺害前に、マイケルズはダニーにハンクを殺すという電話をかけてきています。

10ラインド。亡くなったマイケルズの恋人エリカのところへ行けと指示されるが、ここまできてダニーはマイケルズの真の狙いは銀行の金庫に保管されている金であるのに気づく、そしてヘリでモリーを連れて逃走しようとしたマイケルズにダニーは追いつき、空中のヘリの中でマイケルズとダニーは格闘となる。

爆弾の仕掛けられたヘリ内でようやくマイケルズを倒したダニーは、モリーを抱きしめ、爆発するヘリからビルの屋上にあるプールへダイブ。

2人は無事助かり、ヘリから飛散した札束がプールに舞い落ちるのだった。

(ゲームのラウンド数が途中でわからなくなりました。すみません。12ラウンドあった気がします)

 

 

12ラウンドのネタバレ・感想

ネタバレと言ってはなんですが、この映画でシナのアクションはあっても、殺陣はありません。

格闘アクションはやはりどうしてもプロレスチックになってしまうだろうから、あえてはずしている気がしますね。

ウェズリー・スナイプ主演のアクション映画「ブレイド3」に悪役で出演していたトリプルH(シナと同じWWEのスーパースター)なんかは、映画内でもプロレス(っぽい殺陣)をしてました。

シナはこの映画ではレスターっぽさを外してるようです。

アクションは本格的な格闘はなく、走る、飛び降りるなどがほとんどです。

これはある意味、意外でした。

また普通の俳優を基準に考えると芝居はけっしてうまくないですが、表情は豊です。

作品をみなくても、DVDのパケのあらすじを読んだだけでわかるように、シナは無事に恋人を救出して、悪人は爆死します。

WWEは映画もプロレスもファミリーエンターティメントなので、劇中、人は死にますが、凄惨なシーンはありません。

ガンガン、車や電車、ヘリを壊したり、ビルを爆破していますので、シナの彼女を救うために、当然、たくさんの死傷者がでたことでしょう。

しかし、あくまでB級アクション映画に徹している本作では、そこらへんの罪についてはまったくふれません。

悪いのは、シナの彼女をさらって命がけのゲームを仕掛けてくるアイダン・ギレンであり、その挑発にのって、駆けまわるシナは、どれだけ犠牲者をだしても悪くないのです。

実はこの作品を楽しめるかどうかの一番のハードルは、ここだと思います。

もともと事件と関係のなかった一般市民や、親友のブライアン・J・ホワイトまで死なせてしまって、この後、シナと彼女は普通に結婚して幸せになれるのでしょうか?

はい、そうですね。

そのへんを気にしてはいけないのが、8、90年代ティストのハリウットB級アクション映画なんですよね。

そこの割り切りさえできれば、この映画は派手な見せ場も多いし、楽しいと思います。

犯人の現金強奪方法がありえないとか、シナの彼女の胴体につけられていた爆弾がいつの間にか消えてるとか、考えちゃダメなんですよね。

12ラウンドの最後に

WWE制作の映画は日本ではあまり観る機会がありませんが、本作を観ると「細かいことはいいんだよ。シナが派手なアクションして、ハッピーエンドならOKだろ?」という精神で作られているのがわかります。

人気レスラー主演のこうした作品が商売になる、というアメリカのプロレスマーケット(フアン、団体を含めて、WWEユニバースと呼ばれているのも)がうらやましく感じました。

僕はプロレスは好きですが、ここまでノーテンキにレスラーをヒーロー視できなくて、なんか映画をみていて、損しているような気分になりました。

メキシコにも人気のルチャドール(プロレスラー)主演のヒーロアクション映画がありますし、タイのムエタイの人気選手も自国の映画でスーパーヒーローを演じています。

今年(2018)は新日本プロレスの棚橋弘至主演の映画「パパはわるものチャンピオン」が全国公開されましたが、日本でも今後もこうした映画が制作されることを一プロレスファンとして願います。

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