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はたして、万人にオススメできる映画か?「スタンド・バイ・ミー」(1987)

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画像出典元URL:http://eiga.com

ロブ・ライナー監督、スティーブン・キング原作のこの映画。

僕は高校時代に授業で観ました。

いきなりですが、高校の時、放課後の部活動とは別に、授業でクラブの時間というのがありまして、これは週に一回、一時間、クラブ活動をするという内容でしたね。

僕は高二か三の時に、映画クラブに入っていまして、授業内容は、視聴覚教室でみんなでビデオを観る、というものでした。

観る映画は、クラブの所属生徒全員からたとったアンケートをもとに、教師が選んでレンタルビデオ店でその作品を借りてくるというシステム? だった気がします。

当時の僕は、周囲のボトムな連中と一緒に、アンケートにC級ホラー映画の「悪魔の毒々モンスター」(1984)を投票して、あっさり無視されたりしていました。

言い訳としましては、当時ももちろん、映画は好きでしたが、学校の授業でマジメに観るのはテレてしまうので、周囲にあわせてバカしていたわけですね。

で、たしか先生が選んだ作品が「スタンド・バイ・ミー」でした。

停学退学は日常茶飯事、暴力事件や不純異性交遊、クスリで捕まる不良が集う、県の偏差値ワーストの公立校で、先生は正しい青春を見せようとしたのかもしれません。←「ふん、この不良ヲタク、本当にキモチワルイデス」とまたも長女さんに言われてしまいました。

 

僕は、机につっぷして寝ている生徒がほとんどの教室で、寝たふりしながら、こっそりマジメにこの映画を観て、

 

「おおっこれ、おもしれぇ!!」

 

と思いました。

作中、死体を探しに行く4人の少年は、当時、高校生の僕からみてもガキでお子様でしたが、それでも、ボトムな高校生の自分たちよりもよほどしっかり生きているように見えたのです。

映画好きなら、誰もが知っているような気がする本作のストーリーは、1959年のアメリカ、オレゴン州のキャッスルロック(よくキングの作品の舞台になる架空の街。ちなみにこの映画ではオレゴン州にあるが、キングの小説ではメイン州にある)で、12歳の少年4人がおよそ30キロ離れた森の奥にある少年の死体(列車に跳ねられたらしい)を探しにゆく、というものです。

その瞬間だけの宝物のような少年同士の友情、これまた幼い頃の魔法のようなちょっとした冒険が描かれていますね。

メインの4人の少年は、大人になって作家となり、この物語を語っているという設定の「ゴーディ」と、彼の親友で、弁護士になってその正義感ゆえに刺殺され、それがニュースとしてコーディの耳に届き、彼に少年時代を思い出させるきっかけになる「クリス」、父親の虐待で耳を焼かれ、後に刑務所に服役し、原作では交通事故死する「テディ」、ふっとちょの臆病なうっかり者で、映画ではその後、若くして結婚、子宝に恵まれるが、原作では学生時代に火事で死亡する「バーン」です。

この4人を子役たちが好演していて、しかも「クリス」役のリヴァー・フェニックスが23歳でへロインとコカインのオーバードースで早逝して、伝説的な美形スターの1人となったこともあり、この映画は映画ファンの印象深い特別な作品になっているのでした。

僕がこの映画について思うのは、例えば、人に、記憶に残る映画を聞くと、忘れられない名作としてよく題名があがる「ニュー・シネマ・パラダイス」(1988)や「ショーシャンクの空に」(1994)と並んで、この映画が扱われているという事実と、本当にそれらの作品と同等の価値が本作にあるのか? という疑問です。

 

みなさん、どう思われますか?

 

今回、僕は久しぶりに本作を観なおしてみて、泣くほどではなかったけれども思いのほか、気持ちを動かされて、「僕に、こんな少年時代はなくても、でも、この映画はまるで自分のことみたいに懐かしい気持ちにさせる力があるな」と感心しました。

 

自分の人生を振り返って肯定することって、意外になかったと思いませんか?

 

この映画は観るすべての人の少年時代を肯定してくれるところがあって、それもただ、過去を振り返ってノスタルジーに浸るのではなく、 

 

素敵な少年時代の先にいまのきみがいるんだから、元気だせよ!!

 

と励まされた気持ちになります。

人の人生はいつだって、その瞬間に愛を持って生きることができれば、それは、かけがいのない時間になるんじゃないのか。

そんなアドバイスが聞こえてきそうです。

わずか89分のノスタルジー。自分の人生の意味がわからなくなった方へオススメですよ。この映画の場所と

あなたがいまいるところはつながってますから。

5点満点中4.5点(少年愛的映画として評価する人もいるようですが、この映画は僕にとっては人間賛歌、人生賛歌ですね。

いまがつらくても、それでも人が生きることは無意味ではなく、人生は素晴らしい!! というやつです。なお、作中の少年たちが12歳(小6)にしてはさすがに大人びすぎているだろ、普通に喫煙するし、ってことで-0.5です)  

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